よく海外留学や小旅行で
「日本には◯◯が足りない」
「人生観を変えられた」
「発展途上国はチャンスばかり」
「子どもには海外で仕事をしてもらいたい」
とか言うじゃないですか。
本当にそうですかね?
「日本には挑戦が足りないんだよ!」
——二週間のタイ出張から帰ってきた同級生が、
空港の到着ロビーで私に言いました。
彼はマンゴーと高揚感にまみれたまま、
日本の満員電車を見て「活気がない」と首を振ります。
ですが、翌週その彼はコンビニのレジでセルフ決済に感動し、
「やっぱ日本って便利だな」とつぶやいていました。
海外で受けたカルチャーショックの熱量は、時差と同じくらい早く冷めるものです。
確かにバンコクの渋滞には“伸びしろ”が見えました。
でも、伸びしろは不足ではなく可能性の余白です。
だったら人口減少の日本こそ、空いた席が一番多いチャンスに満ちた国なのかもしれません。
高齢化? それは世界最速でシルバーテックを実証できるテストマーケットです。
地方のシャッター街?
オンライン行政手続きが進めば、
駅前より自宅のWi‑Fiが新しい“メインストリート”になります。
海外経験が教えてくれるのは「外がすごい」ではなく
「内を客観視するレンズ」です。
日本がいかに素晴らしい国で、過ごしやすいのかを分からせてくれます。
東京のコンビニは100mごとに競合が並び、
24時間のサービスと廃棄ロス削減を両立しています。
これをコピーしようとして多くの国が撤退しました。
日本はすでに無形資産の実験場なんです。
もし「海外のほうがチャンスだ」と感じたら、
まず地元の市役所に行ってオープンデータポータルを覗いてみてください。
人口動態、空き家、観光フロー
——全部無料でダウンロード可能です。
それらをExcelで縦に並べるだけで、
バンコクの屋台よりホットなビジネスの種が見えてきます。
子どもに海外で働いてほしい? もちろん賛成です。
でも、その前に「日本でしか解けない課題一覧表」を教えてあげましょう。
解くべき謎がある場所こそが、ほんとうのフロンティアですから。
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編集後記
母国語で話せて、商習慣も分かりあえて
常識が通用する真面目な人が多い日本は本当に戦いやすいです^^