値上げするときに多くの経営者が恐れるのは、
「顧客が離れるのではないか」ということです。
でも、実は離れる原因の多くは価格そのものではありません。
問題は、価格に見合うだけの“価値”を感じてもらえていないことです。
スターバックスがコーヒー1杯600円でも選ばれるのは、
単なる飲み物ではなく「第三の居場所」という世界観や体験を売っているからです。
アップル製品が高額でも買われ続けるのも、
機能以上のブランド体験を提供しているから。
つまり、「値上げしても選ばれる」企業は、
価格以上の価値を磨き続けています。
そして価値を上げると、不思議なことに顧客の層も変わります。
安さだけで選んでいた層が離れ、
その代わりに“価値を理解してお金を払う顧客”が集まります。
結果、クレームが減り、信頼関係の深いビジネスができるようになるのです。
中小企業こそ値上げは避けてはいけません。
むしろ、値上げを「価値の再設計」のきっかけにするべきです。
商品やサービスの見せ方、提供の仕方、顧客との関係性。
これらをアップデートして「高くても欲しい」と思わせる存在になれれば、
価格競争から卒業できます。
値上げは、単なる売上増の手段ではなく、
“ブランドの進化”を加速させる起爆剤です。
値上げを怖がるか、それともブランド強化のチャンスと捉えるか。
ここが経営者としての分かれ道です。
■□■□■□■□■□■□■□■□
編集後記
値上げに成功するとバイトの給与に反映できて
求人が困らなくなったり、追加設備投資ができたりして
いいことづくめ。
「貧乏人はいらん」精神でいかないとインフレ時代では厳しいです。